飲尿獣医の屋根裏部屋〜2

1：飲尿獣医 :

2020/03/26 (Thu) 00:34:07

host:*.ccnw.ne.jp

難病の犬猫、更には人に尿療法を！
その強い思いに、導かれ
ココにやって来た動物病院の獣医です。
小動物臨床に携わって43年
今までの経験、そして現在を
勝手気ままに呟きます。

998：飲尿獣医 :

2021/12/21 (Tue) 23:30:33

host:*.ccnw.ne.jp

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昨日、1週間入院していたKさん所の猫、チビくんが帰って行った。
Kさんとは、まだ一年半ほど前からのお付き合いだった。
今年７月に亡くなられたTさんからのご紹介だった。
チビちゃん（11才、去勢♂）は昨年の11/16に
2、3週間前から食べ辛く、口を引っ掻くということで来院した。
歯肉部に肉芽が盛り上がり、赤く爛れていた。
半野良状態で飼われていたので猫エイズが疑われたが、神経質なところもあり、あえて血液検査はしなかった。
常法のデポメドロール（持続型副腎皮質ホルモン）の注射を今年の５月まで5回ほど繰り返した
デポメドロールは強力な鎮痛効果と食欲増進効果で注射後飼い主さんも驚くほどの変化をもたらす。
Kさんには、これは治ることは期待薄いと説明し、この放知技での元悪性リンパ腫さんと私の遣り取りをコピーしたものを手渡し飲尿を勧めたが、「できない」の一言で終わっていた。
その後どういうものか良くなり、10/14まで5ヶ月間、来院はなかった。
体重は初診の5.2kgから4.2kgに減少していた。
この時もデポメドを注射したのだが、効果は長く続かず1ヶ月後11/19に再来院した。
そんなにデポメドを続けても良くないと、持続効果の少ないデキサメサゾンと抗菌剤に加え
今話題のイベルメクチンの試用を提案し、Kさんの承諾を得た。
翌日11/20,患部の赤みは軽減し、11/21食欲も出て来たのでイベルメクチンを注射から内服に変えた。
もしかして⁉︎と期待した。
しかし効果は一時的だった。
というか、その効果はデキサメサゾンによるものだったかしれない。
結局前回のデポメド注射から４０日後の11/25再びデポを打つことになった。
12/14,2日前から全く食べれなくなったと、またKさんは来院した。
口の周りには涎が纏わり悪臭を放ち、痛みで口内を観ることもできなかった。
もうお手上げだった。
ステロイドを使うことはもうできず
Kさんにはもう入院させてもらって尿療法を試してみるしかないと告げた
Kさんはこの子は神経質だと当初は渋ったが、特別料金でやらせてもらうし、これ以外で命を助ける方法は思い当たらないと言うと入院を承知した。
入院はしたが、チビちゃんは本当に神経質で写真のように引きつった表情で奥に佇み、尿を排泄することもなく、
もう家に帰してやった方がいいかなと思った。
2日目は仕方なく私の尿を20ml飲ませた。
3日目に大量に排尿し、自身の尿を飲ませることもできた。（45ml)
これでいけると思った。
Aさんに餌を持って面会に来てと伝えると、奥さんと二人でやって来た。
チビちゃんの険しい顔つきは二人を見てガラリと変わった。
餌に鼻を近づけるが、まだ食べるところまではいかなかった。
入院当初の猛烈な悪臭も3日目には消失した。
飲尿の他に抗菌剤と１日おきの点滴はしたがステロイドは使用しなかった。
その後少しずつ食べ出し、７日後には退院となったが
最後はお尻をトントン叩くと尾をおったて、ゴロゴロいうまでになった。
猫エイズかどうかははっきりさせておきたいと飼い主さんに話して、検査を実施した。
やはり、エイズに感染していた。

さらに、つづく。。

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