吠えるＥ爺と 燃える同志たちの闘議場 -２７-

1：飯山一郎 :

2017/06/30 (Fri) 09:04:35

host:*.dion.ne.jp

前スレでは，「昨年までの執拗な濃霧と湿度100%の地域が消えた！」という気象現象からフクイチ１号機の低温化が明らかになった．これは（誰も言及しないが）大朗報である．一方，国内政治は「官僚・ネオコン対安倍政権」の激烈な政治闘争が続き，国際政治も米vs露が武力衝突寸前の緊張状態．　本スレでは，「政治」を個人的な正義感や善悪感情，好悪感，ベキ論で語るのではなく，「政治過程の帰趨」を洞察しつつ「政治の現況」を見透かす議論を期待したい．

596：mespesado :

2017/08/17 (Thu) 02:03:39

host:*.itscom.jp

　ケント・ギルバート氏と長谷川幸洋氏の対談本『ケント＆幸洋の大放言』

を読み終えました。前に書評を書かせてもらった青山氏と百田氏の対談本

と同じ「大放言」シリーズの１つです。

　長谷川氏もケント氏も、ともに「残念なリベラル言論人」を的確に批判

しているので、それでは誰かの批判でなしに、彼らの考え方はどうなんだ

ろうということが知りたくて読んだのですが、全体で５章から成り、


第１章　沖縄左翼運動のペテンを暴く

第２章　マスコミの偽善を暴く

第３章　劣化していく既存メディア

第４章　朝鮮半島情勢をこう見る

第５章　反グローバル主義と日本の進路


となっています。

　さて、読後感想を一言で言いましょう。それは


　▲　米戦争屋ネオコンの代弁！　▼


　これに尽きます（笑）。

　第１章は、そもそも日米地位協定とそれにまつわる密約こそが沖縄問題の

本質なのに、それらには一切触れず、沖縄で基地反対運動をしているサヨク

過激派のことを（事実に基づいて）非難することで、沖縄の基地の現状を正

当化しているだけです。

　第２章と第３章は、サヨクに偏ったマスコミ（朝日新聞と東京新聞）につ

いての批判はまさに図星というか正当ですが、逆にウヨクに偏ったマスコミ

（読売新聞と産経新聞）については何の論評もありません。

　そして第３章のおしまいの方から少し引用してみます：


　ケント　安保法制について国会で質疑応答しているとき、何でいま安保法

　　　　制をやらなければならないのか、その理由を説明しろなどと野党か

　　　　ら安倍さんは言われて、泥棒が入ってきたらとか、隣が火事になっ

　　　　たらというたとえ話を交えながら、一生懸命説明していました。

　　　　　それで、野党の質問者がどこの国を仮想敵国にしているのかを安

　　　　倍さんに言わせようとしていたけれども、その答は誰だって分かっ

　　　　ていることなのに、安倍さんは答えなかったですよね。

　長谷川　当たり前ですよね。だって、そこで中国が脅威ですと言ってしま

　　　　えば、相手が怒るだけで、日本に何の利益もならない。そもそも中

　　　　国が脅威かどうか、本音で話し合えるほど野党が成長していない。

　　　　（以下略）


　ここで、ケント氏は本気で安保法制が中国に対抗するためだと思っている

ことが分かります。そもそもこの本では、米戦争屋ネオコンの企みについて

は一言も出てこないので当然といえば当然なのでしょうが、安保法制が冷戦

解消以降の安保条約の非対称性を埋めるために、もともと米軍側から要請さ

れてきたことを遂行するのが目的だったことは一言も言及がありません。

　これに対し、長谷川氏の方は、「そもそも中国が脅威かどうか…」という

微妙な表現からもわかるように、長谷川氏の方はネオコンの企みにちゃんと

気付いていて、ケント氏に話を合わせているっぽいところも垣間見れます。

　次は第４章です。冒頭部分から引用します：


　ケント　そもそも金正恩という人物は、何をやるのか予測困難です。普通、

　　　　人間は成長とともに、感情より理性に基づいて合理的かつ冷静に行

　　　　動しようと心掛けるようになるはずです。

　　　　　しかし、彼はその成長過程を経ることなく、****者の地位に就き、

　　　　感情の赴くままに部下だけでなく身内まで殺し、国民に犠牲を強い

　　　　ながら、日米韓を理不尽に恫喝しているわけですから、そう遠くな

　　　　いうちに、あのルーマニアの****者チャウシェスクのように失脚し

　　　　処刑される末路をたどるのではないでしょうか。


　ここ『放知技』のみなさんには最早説明不要でしょう。ケント氏は金正恩

について何もわかっていない、というより、この見解ってまるっきり米軍の

大義名分そのものじゃないですか。ケント氏もかの青山氏と同じく情報源が

どこなのか、とても分かりやすいです（笑）。

　最後に第５章ですが、これは比較的まともというか、こと日本に関する部

分は正論が多いです。これは前章までが主として軍事に関する話題だったの

に対して第５章は経済の話題なので戦争屋ネオコンの利害と独立しているか

らでしょう。

　そういうわけで、「大放言」シリーズは、おそらくすべて「チャンネル桜」

「虎ノ門ニュース」系列と言うか、米戦争屋ネオコン系列の広報誌のように

なってしまっているのではないかと推測されます。

　前に亀さんのブログで、サヨク言論批判としてケント氏のコメントが肯定

的に取り上げられてはいたものの、ネオコンに対する言及がないという指摘

がありましたが、この本を読む限り、それは当たり前だった、ということが

よくわかったのでした。

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